技術提案事例

ブロー成形金型の素材・冷却回路見直しで、コスト・リードタイムを改善

お客様の課題:サイクルタイムを大きく改善したい

ブロー成形プロセスにおいて、現行の金型よりもサイクルタイムを短縮し、生産性を向上させたいという強い要望がありました。サイクルタイムの長さが、製造コストの上昇やリードタイムの長期化に直結しており、競争力強化のために改善が不可欠な状況でした。

技術的背景:ブロー成形におけるサイクルタイムと冷却の役割

ブロー成形のサイクルタイムは、主に「パリソン押出→型締め→ブローイング→冷却→型開き→製品取出し」の各工程時間で構成されます。この中で、射出成形と同様に「冷却時間」がサイクル全体の大部分を占めることが多く、生産性を左右する最大の鍵となります。

冷却効率は、金型内部に設けられた冷却回路の設計(水路の配置、直径、数)と、金型自体の材質の熱伝導性に大きく依存します。冷却回路の設計が不適切で、製品を均一かつ迅速に冷却できない場合や、熱伝導性の低い鋼材が使用されている場合、冷却時間は長くなり、サイクルタイムが悪化します。

また、長期間の使用により水路内にスケールが蓄積することも冷却効率を低下させる一因です。

扶桑精工の提案:冷却性能の最大化に向けた総合的改善策

扶桑精工は、現行の金型を詳細に分析し、サイクルタイム短縮のボトルネックが冷却性能にあると判断。以下の二つのアプローチからなる総合的な改善策を提案しました。

  1. 冷却回路の再設計・改造
    既存の冷却回路を解析し、冷却ムラが発生している箇所や流量が不足している部分を特定。3D-CAD/CAMを駆使して、製品形状に沿って効率的に熱を奪うことができる最適な冷却回路を再設計し、既存金型への追加工や改造を提案しました。
  2. 高熱伝導材への材質変更
    金型の主要部分、特に熱がこもりやすい箇所に、従来の鋼材よりも熱伝導率が高い銅合金やアルミ合金といった材質への変更を提案。これにより、金型内部の熱を素早く冷却水に伝え、冷却時間を大幅に短縮します。

これらの改造案と、金型を新規製作した場合の費用対効果を併せて提示し、お客様が最適な投資判断を下せるようサポートしました。

本提案の実施により、金型の冷却効率は飛躍的に向上し、目標としていたサイクルタイムの短縮を実現しました。これにより、単位時間あたりの生産量が向上し、製造コストの削減とリードタイムの短縮に大きく貢献しました。

扶桑精工は、豊富な実績と解析技術に基づき、お客様の生産性向上に直結する具体的な金型改善策を提案します。