技術提案事例

ブロー成形におけるインサート成形。スライド機構活用による肉厚アンダー部位の精度向上

お客様の課題:インサート部分の精度が安定しない

樹脂製の別部品を、ブロー成形品にインサート成形するプロセスにおいて、インサート部品がアンダーカット形状となる部位にあり、精度が出せずに悩んでいました。従来はスライド機構などを用いずに成形していたため、位置決めが不安定で、品質のばらつきが大きいことが問題でした。

技術的背景:インサート成形とアンダーカット処理

インサート成形とは、あらかじめ金型内に金属や樹脂などの別部品(インサート品)を配置し、そこに樹脂を射出またはブロー成形することで一体化させる技術です。

しかし、インサート品が製品の抜き方向に対して引っかかりとなる「アンダーカット」形状を形成する場合、単純な金型構造では成形品を取り出すことができません。このような場合、金型に「スライド機構」を組み込む必要があります。スライド機構は、金型の開閉動作や突き出し動作に連動して、アンダーカット部分を形成するコアを横方向や斜め方向に移動させ、成形品をスムーズに取り出せるようにするものです。

扶桑精工の提案:スライド機構の導入による高精度インサート成形

扶桑精工は、この課題を解決するために、ブロー金型にスライド機構を新たに設計・導入することを提案しました。

ボルトなどの金具で固定するような、従来のブロー成形では成立が困難であったアンダーカット部位のインサート成形を、精密なスライド機構を用いることで実現します。

スライドコアがインサート品を正確な位置に確実に保持したままブロー成形を行い、成形後にスライドコアが退避することで、アンダーカット形状であっても製品を損傷なく取り出すことができます。

肉厚が厚い製品形状では成形が難しくなる場合もありますが、スライド機構の設計を最適化することで、安定した成形を可能にしました。

画像:アンダー部位のインサート成形金型

スライド機構の導入により、これまで困難であったアンダーカット部位へのインサート成形が高精度で実現可能となりました。これにより、製品の機能性が向上し、設計の自由度が大幅に拡大しました。

扶桑精工は、ブロー成形とインサート成形、そして複雑なスライド機構設計という複数の高度な技術を融合させ、お客様の革新的な製品開発をサポートします。