1000mm超の大型ブロー金型の反り対策。圧受けブロック設置による製品精度の向上
お客様の課題:金型自体に反りが生じ、ブロー成形品の品質が悪化している

1000mmを超える大型のブロー金型を使用する中で、成形時の高い圧力によって金型自体に「反り」が発生していました。この金型の反りが、そのまま成形品にも転写され、製品の寸法不良や形状不良を引き起こし、品質問題となっていました。
技術的背景:大型金型における剛性不足と反りの問題
ブロー成形では、パリソンを膨らませるために金型内部に高い空気圧がかけられます。金型が大型化すると、その広い面積に圧力がかかるため、金型全体には巨大な力が作用します。金型の剛性がこの力に対して不足している場合、特に中央部が外側に膨らむように「反り」や「たわみ」が発生します。
この金型の変形は、製品の肉厚分布の不均一化や、パーティングライン部でのバリ発生、そして製品全体の寸法精度悪化の直接的な原因となります。製品設計上の制約から、金型自体の板厚を増やしたりリブを追加したりして剛性を高めることが困難な場合、外部からのサポートによって変形を抑制する工夫が必要となります。
扶桑精工の提案:キャビティ背面への圧受けブロック設置
お客様の製品は設計上の制約が厳しく、金型自体の形状変更による剛性アップは困難でした。そこで扶桑精工は、金型の外側から変形を物理的に抑制する「圧受けブロック」の設置を提案しました。圧受けブロックとは、金型のキャビティプレートの背面に設置する頑丈な支柱やブロックのことです。
成形時に金型が内圧で外側に反ろうとする力を、この圧受けブロックが成形機の盤面(プラテン)を介して受け止め、変形を強制的に抑制します。ブロックの材質、サイズ、設置位置をCAE(Computer-Aided Engineering)解析などを活用して最適に設計することで、最小限の改造で最大限の反り抑制効果を得ることができます。
圧受けブロックを設置した結果、成形中の金型の反りは効果的に抑制され、それに伴い製品の反りや寸法不良も解消されました。不良品の発生がなくなり、安定した品質での量産が可能となりました。
扶桑精工は、標準的な金型設計に留まらず、生産現場で発生する様々な物理現象を深く理解し、解析に基づいた最適な構造改善提案でお客様の品質課題を解決します。