コラム

金型メンテナンス・修理が必要となる原因と修理方法

金型は、長期間使用することで、様々な破損が発生する可能性があります。

ここでは、代表的な金型破損の種類と修理方法について解説します。

摩耗

金型は、成形品の形状に合わせて精密に加工されています。しかし、長期間の使用によって、金型表面が徐々に摩耗し、成形品の精度が低下します。摩耗の主な原因としては、成形材料と金属表面の接触や金型同士の接触によるものが挙げられます。また潤滑油が不足した際にも摩擦が大きくなり摩耗が発生します。

摩耗の修理方法

金型に摩耗が発生した際の修理方法としては以下が挙げられます。

溶接修理

摩耗した部分を溶接で盛り付け、その後研磨して仕上げます。安価で短納期ですが、歪みや硬化などの品質への影響が出る可能性があります。

機械加工修理

摩耗した部分を機械加工で削り取り、新しい材料を埋め込みます。精度が高く品質への影響が少ないですが、コストや納期が長くなります。

メッキ修理

摩耗した部分にメッキを施すことで、表面を保護します。比較的安価で短納期ですが、メッキ剥がれの可能性があります。

コーティング修理

摩耗した部分にコーティングを施すことで、表面を保護します。メッキ修理よりも耐久性に優れていますが、コストが高くなります。

摩耗の予防策

金型での摩耗が発生しないように予防を行うことが大切です。予防としては、金型の使用時に適切な潤滑を行い、摩擦などが発生しにくいようにします。また金型を適切な条件下で使用することで負荷をかけないようにすることも重要です。実際に金型の修理が必要なほど故障をする前の段階で定期的なメンテナンスを行うことも摩耗の予防策として重要です。

 

破断

金型は、成形時に高い負荷がかかるため、破断することがあります。破断の発生原因としては、金型に対して過剰な負荷がかかっている場合は材料の疲労による場合があります。場合によっては負荷がかからないように設計を見直さなくてはならない場合もあります。

破断の修理方法

溶接修理

破断した部分を溶接で修復します。安価で短納期ですが、歪みや硬化などの品質への影響が出る可能性があります。

機械加工修理

破断した部分を機械加工で削り取り、新しい材料を埋め込みます。精度が高く品質への影響が少ないですが、コストや納期が長くなります。

交換修理

破断した部品を新品と交換します。最も確実な修理方法ですが、コストが高くなります。

破断の予防策

金型での破断が発生しないように事前の対策が重要です。予防としては、金型の設計段階から過剰な負荷がかからないようにシミュレーションなどを行うことが重要です。過剰な負荷がかからないことで金型の寿命が大きく異なります。また材料に関しても最適なものを選定することで負荷をコントロールすることが可能です。また金型に修理が必要になる前に定期的にメンテナンスを行うことも大切です。

 

キズ

金型でのキズは、成形品の表面に影響を与えるため、発生には注意が必要です。金型への傷の発生原因としては、成形材料との接触や金型同士の接触が挙げられます。材質や形状によりますが、通常の使用でもキズが発生します。また異物などが混入した場合にもキズが発生するため、金型での生産時には異物混入への対策も必要です。

キズの修理方法

研磨修理

キズを研磨して除去します。比較的安価で短納期ですが、キズが深い場合は完全に除去できない場合があります。

溶接修理

キズを溶接で修復します。研磨修理よりも精度が高く、深いキズも修復できますが、歪みや硬化などの品質への影響が出る可能性があります。

メッキ修理

キズにメッキを施すことで、表面を修復します。研磨修理よりも耐久性に優れていますが、コストが高くなります。

コーティング修理

キズにコーティングを施すことで、表面を修復します。メッキ修理よりも柔軟性に優れていますが、耐久性は劣ります。

キズの予防策

金型にキズが発生しないように事前の対策が必要です。金型は使用する中で異物によって傷が発生するため、定期的な洗浄やメンテナンスが大切です。キズについては完成品の外観への影響も大きいため、金型に異常があった際はすぐに修理対応が必要となります。

 

その他の破損

上記以外にも、金型は様々な原因で破損することがあります。金属の腐食や疲労、熱膨張による歪みの発生など様々なケースが発生します。破損の種類や程度によって最適な修理方法が異なるため最適な対応方法を選択する必要があります。

予防策としては、金型使用条件の適切な管理や定期的なメンテナンスが重要です。不具合が発生した際にすぐ対応ができれば完成品への影響も最小限にできるため定期的なメンテナンスと管理を行うことが大切です。

 

まとめ

金型の修理は、様々な原因で必要となります。破損の種類や程度によって、適切な修理方法を選択することが重要となります。そのため、金型の修理を依頼する際は豊富な実績や経験のある企業へ依頼することが必要です。

また、定期的なメンテナンスを行うことで、金型破損を予防することができます。

 

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