鋳物加工の難しいポイント
鋳物加工とは
鋳物加工とは、鋳造によって作られた素材(鋳物)を、切削加工や研磨加工などの手法を用いて目的の形状に仕上げる加工のことです。鋳造では、溶かした金属を型に流し込んで固めることで、複雑な形状の製品を比較的容易に製造できます。しかし、鋳造だけでは寸法精度や表面粗さに限界があり、そのままでは使用できないケースも多いです。そこで、鋳物加工が必要となります。
鋳物加工では、フライス盤や旋盤などの工作機械を用いて、鋳物から余分な部分を削り取ったり、穴を開けたり、表面を滑らかにしたりします。これにより、高い寸法精度と表面粗さを実現し、求められる機能や性能を満たす製品に仕上げることができます。
鋳物加工と鋳造加工の違い
鋳物加工と鋳造加工は、どちらも鋳物を扱う工程ですが、その目的や手法が異なります。
- 鋳造加工:鋳造加工溶かした金属を型に流し込み、目的の形状に固める加工。
- 鋳物加工: 鋳造で作った素材を、切削加工や研磨加工などによってさらに精度を高め、仕上げる加工。
つまり、鋳造加工は素材を作る工程、鋳物加工は素材を仕上げる工程と言えます。鋳造加工によって大まかな形状を作り、その後の鋳物加工によって精度を高めることで、高品質な製品を製造することができます。しかし、鋳造だけでは寸法精度や表面粗さに限界があるため、切削加工などの鋳物加工が必要となるケースが多いのです。
なぜ鋳物に切削加工をするのか
前述のように、鋳造加工は複雑な形状の製品を一体成形できるというメリットがありますが、寸法精度や表面粗さに限界があります。これは、鋳造時に発生する収縮や、型の精度、溶湯の流動性など、様々な要因が影響するためです。
一方、切削加工は、工具を用いて素材を削ることで、高い寸法精度と表面粗さを実現できます。そのため、鋳物に切削加工を施すことで、以下のようなメリットが得られます。
- 高い寸法精度の実現: 鋳造では難しい、精密な寸法の製品を製造できる。
- 優れた表面粗さの獲得: 滑らかで美しい表面に仕上げることができる。
- 機能性の向上: 必要な形状や寸法に加工することで、製品の機能性を高めることができる。
例えば、自動車部品や航空機部品など、高い精度や強度が求められる製品には、鋳物に切削加工を施すことが不可欠です。
鋳物を鋳造から一貫対応する難しさ
鋳物を鋳造から一貫対応するということは、鋳造から切削加工、熱処理、表面処理まで、全ての工程を自社で行うことを意味します。これは、以下のような理由から難しいと言えます。
- 設備投資: 鋳造設備、切削加工設備、熱処理設備など、多様な設備が必要となるため、多額の設備投資が必要となる。
- 技術力: 鋳造、切削加工、熱処理など、それぞれの工程に専門的な知識や技術が必要となる。
- 品質管理: 全ての工程を自社で行うため、品質管理を徹底する必要がある。
- コスト管理: 各工程のコストを管理し、全体のコストを抑える必要がある。
しかし、鋳造から一貫対応することで、以下のようなメリットも得られます。
- 高品質な製品の提供: 全工程を自社で管理することで、高品質な製品を安定的に供給できる。
- 納期の短縮: 各工程間の移動や調整が不要となるため、納期を短縮できる。
- コスト削減: 中間マージンを削減できるため、コスト削減につながる。
- 顧客ニーズへの柔軟な対応: 顧客の要望に合わせて、柔軟に設計や製造に対応できる。
そのため、鋳造から一貫対応できる体制を構築することは、競争力を強化する上で重要な要素となります。
FUSO機械加工センターの鋳物加工の強み
FUSO機械加工センターは、中・大型機械加工の信頼できるパートナーです。高品質な製品と保証体制を備え、1mから10mまでの幅広いサイズに対応します。鋳物品の製造から加工までワンストップ対応が可能です。全国に3つの工場を展開し、安定した供給体制を構築しています。豊富な納入実績を持ち、装置メーカーをはじめとする幅広いお客様から信頼されています。