【技術者必見!】射出成形金型の設計・製作のポイントを紹介!
1.射出成形とは
射出成形は、プラスチック製品を大量生産するための主要な成形方法の一つです。具体的には、溶かしたプラスチックを高圧で金型に射出し、冷却することで製品を形作ります。この方法は、プラスチック容器、玩具、自動車部品、医療機器など、多くの分野で使用されています。
2.射出成形金型を製作する際のポイント
材料選定
金型の材料は、生産性、使い勝手、寿命、耐久性に影響を与えるため、適切な材料を選ぶことが重要です。例えば、鉄素材は熱伝導が高く冷えやすいため、サイクルタイムを短縮することができます。一方で、ステンレス素材は錆が出にくく、メンテナンスの間隔を延長することができます。このように、素材によってメリットが大きく異なるので、技術者の知見も活用し、金型の用途に合った素材を選定することが重要です。
設計
3DCADを用いて、製品の形状や寸法を詳細に設計する他、歪みを考慮して設計する必要があります。金型は成形過程で熱の影響を受け、変形してしまうことも珍しくありません。そのため、成形過程での歪みや縮小率も考慮に入れた設計が重要です。
表面仕上げ
金型の当たり面は滑らかで、離型性が高くなければなりません。そのため、金型の用途や使用状況に合わせて最適な方法で表面仕上げを行う必要があります。代表的な表面仕上げの工法を下記に示します。
- 研磨処理
最もスタンダードな処理方法が研磨処理です。加工後は金型の当たり面に凹凸が生じてしまいます。その凹凸を研磨し鏡面を実現することで、当たり面と成形品の間に生じる摩擦を小さくし、離型性を向上させることができます。 - ピーニング処理(FPB処理)
ピーニング処理は金型の当たり面に粒子を衝突させることで、微細な凹凸をつくり金型表面の錆を防止することで離型性を向上させる処理方法です。成形品の素材や形状に応じて、研磨処理と合わせて処理することで効果を発揮することができます。金型の素材ごとに衝突させる物質と衝突速度を使いわける必要があるため、非常に高度な技術を必要とします。 - 表面のメッキ処理
金型の表面にメッキを施す処理方法です。金型は使用しているうちに表面に傷が生じてしまいます。金型の当たり面をメッキでコーティングすることで離型性を向上させることに加え、金型の長寿命化を実現することができます。成形することを考慮し厚さや素材を選定することが重要です。
上記の他にも金型の当たり面を仕上げる方法は数多くあります。金型の用途や使用状況、成形品の素材などを考慮して最適な表面処理を行うことが重要です。
テスト
初めての金型製作では、テストを重ねることが重要です。テストを繰り返すことで、製造ラインを止めずに新製品を導入することができます。さらに、テスト段階で課題を明らかにし成形品と金型そのものの品質を確保することができます。
3.射出成形金型を用いて成形する際のポイント
温度管理
金型を用いた成形で最も重要な要素の1つが温度管理です。プラスチックの溶解温度と金型の温度は、冷却温度が製品の品質に大きく影響します。成形品の形状や材料に合わせて適切な温度を見つけて成形する必要があります。微妙な温度の違いで成形に大きな影響を与えることもあるため、温度を調整しながら成形することが重要です。
圧力と速度
射出成形において、射出速度と保圧も金型の品質に大きな影響を与えます。速度や圧力が適切でないと成形品の厚さが不均一になってしまう、ヒケが出てしまうなどの成形不良に繋がります。射出速度と保持圧力を適切に調整することで、製品の寸法精度や外観の品質を保つことができます。
サイクルタイム
効率的な生産を実現するためには、成形のサイクルタイムを短縮する必要があります。しかし、サイクルタイムが短すぎると成形不良に繋がることもあるため、成形品の品質を保つことができるサイクルタイムで成形を実施することが重要です。一方で、サイクルタイムがもともと決められており、変更することができないという課題もあります。その際は、金型そのものを調整し、既存のサイクルタイムに併せつつ、成形品の品質を確保することも重要です。
4.射出成形金型の設計・製作から修理メンテナンスまで当社でマルっと対応します!
扶桑精工では、お客様のニーズに応じて金型の設計・製作から表面処理、修理メンテナンスまで一貫して対応します。金型くんメンテ・改造ラボを運営します扶桑精工では、長年のノウハウと技術力を基に高品質な製品を効率良く生産するための金型をご提案致しますので、是非扶桑精工にお任せください!